整形外科と災害外科
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高齢者大腿骨頸部骨折におけるセメントレス人工骨頭置換術(Synergy select II)の初期固定性に関する検討
穂積 晃村田 雅和宮田 倫明久芳 昭一前田 和政松村 陽介古市 格
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2009 年 58 巻 3 号 p. 432-436

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抄録

セメントレス人工骨頭置換術(Synergy select II)の初期固定性について検討した.当院および関連施設で行われた人工骨頭置換術90例のうちセメントレス人工骨頭置換術(Synergy select II)を使用した62例62関節を対象とした.平均年齢80歳(51-97歳)平均経過観察期間は9.6週(2-72週)であった.後療法は術後2日目より全加重を許可した.術直後および経時的レントゲン正面像においてステムの沈下を計測した.9例に3mm以上のステムの沈下を認めた.また小転子下端レベルでのステムの髄腔占拠率は非沈下例で平均83.2%,非沈下例では67.7%であり有意差を認めた.ステム沈下例において術後早期の脱臼を1例,術後4週でステム先端部での転倒による骨折を1例に認めた.これらの結果をふまえ成績不良例の原因,問題点とその対策について考察した.

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© 2009 西日本整形・災害外科学会
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