整形外科と災害外科
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中・高齢者における内側半月後角横断裂の頻度
末永 英慈井原 秀俊
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2009 年 58 巻 3 号 p. 437-440

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抄録

内側半月断裂型および後角横断裂の占める割合について検討した.平成20年7月までの過去5年9ヶ月間に当院にて半月処置の目的で関節鏡を行った50歳以上の内側半月損傷188例201膝を対象とした.平均年齢63歳(50-86歳),男性49例51膝,女性139例150膝であった.半月断裂型,部位は鏡視所見により分類した.横断裂は111膝(55%),横断裂と水平断裂の合併は33膝(16.4%),水平断裂は30膝(15.9%),弁状断裂は21膝(10%)に認めた.横断裂のうち89膝(80%)は後角に認めた.近年,後角断裂の占める割合が高くなった理由として,後角横断裂が周知されてきたこと,疾患そのものの増加,MRI診断精度の向上などが考えられる.後角横断裂の場合は手術療法として,半月切除だけでなく,半月温存治療であるラスピングも選択肢に含まれるために,後角横断裂の認識と診断は重要である.

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© 2009 西日本整形・災害外科学会
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