2009 年 58 巻 3 号 p. 496-498
手術部位感染症の発生は重大な術後合併症の1つである.その原因は様々で,手術時の不十分な手洗いもその1つである.今回我々は,手術時手洗いにウォーターレス法を導入し,その臨床的及び医療経済的結果を検討した.ウォーターレス法を導入した平成20年3月から平成20年8月までの6ヶ月間とそれ以前の6ヶ月間の手術部位感染症(以下SSI)の発生数および手洗い時間,手荒れの程度,費用,手指培養検査での細菌検出率を比較した.短期的ではあるが,ウォーターレス法は従来法に遜色ない結果で,医療経済的にも節約効果が得られた.