整形外科と災害外科
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ペルテス病に対する外転位固定装具治療の長期成績
肥後 勝吉野 伸司中村 雅洋
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2009 年 58 巻 3 号 p. 503-506

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抄録

我々は外転位固定装具を用いて治療し,骨成熟時まで追跡できたペルテス病の35例36股の長期成績について報告する.症例は男児33例女児2例,診断時年齢は平均5.3歳,装具装着期間は平均13.7か月,追跡調査期間は平均9年であった.骨端核の壊死範囲はCatterall分類III群14股,IV群22股であった.レ線上32股にat risk signとして亜脱臼や骨嚢腫像を認めた.最終調査時の股関節のX線学的成績はStulberg分類を用いて評価し,Class I 12股,Class II 11股,Class III 12股,Class IV 1股であった.長期成績は良好群23股64%,不良群13股36%であった.成績不良例は年長例,Catterall IV群,亜脱臼と骨嚢腫像を合併した症例に多くみられた.外転位固定装具は簡便で,歩行可能で,患児の受け入れも良い治療方法であるが,8歳未満のCatterall III群に最も良い適応がある.

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© 2009 西日本整形・災害外科学会
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