整形外科と災害外科
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人工足関節置換術(FINE Total Ankle System)の手術手技の問題点と短期成績
古市 格村田 雅和宮田 倫明穂積 晃久芳 昭一前田 和正松村 陽介
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2009 年 58 巻 3 号 p. 516-521

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抄録

術後6ヶ月以上経過した人工足関節置換術の短期臨床成績と手術手技について調査し報告する.使用機種はナカシマメディカル社のFINE Total Ankle Systemを用いた.本機種は3パーツからなり,中央のポリエチレンソケットに前後左右方向のスライドおよび10度の内外旋運動を可能とし,ストレスの分散を図ることができるように設計されている.対象はRA足関節3例,OA足関節3例の6例で,平均年齢は73歳.JOA足関節スコアは術前平均35点が術後82点へ改善し,いずれの症例でも疼痛の改善と可動域の改善が見られた.OAの1例でコンポーネントの緩み,RAの1例に皮膚壊死が起った.緩みは非進行性,皮膚壊死に対しては形成外科的処置で治癒できた.実際の手術は軟部組織の取り扱いと,コンポーネントの設置位置に十分配慮すべきである.本機種は,短期成績ではRAやOAの破壊された足関節に対して有用である.

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© 2009 西日本整形・災害外科学会
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