整形外科と災害外科
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股関節完全脱臼症例(Crowe IV)における下肢アライメントの検討
江頭 秀一上通 一泰重松 正森井手 衆哉伊藤 純佛淵 孝夫
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2009 年 58 巻 4 号 p. 699-702

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抄録

【目的】片側完全脱臼股症例(Crowe IV)を新臼蓋形成群(以下IV a群)と殿筋内脱臼群(以下IV b群)に分け,膝関節アライメントを比較検討すること.【対象と方法】対象は人工股関節置換術(THA)を行った片側完全脱臼股症例のうち,単純X線にて両側膝関節アライメントを確認できた16例16股(男性1股,女性15股)とした.手術時平均年齢は64歳で内訳はIV a群6股,IV b群10股であった.両側膝関節のFTA,両下肢荷重軸(%MA),患側股関節の可動域などを計測し2群間で比較検討を行った.【結果】患側のFTAはIV a群174°,IV b群170°,%MAはIV a群65%,IV b群80% であり,IV b群において外反傾向を認めた.【考察】IV b群は下肢荷重時に臼蓋による骨頭支持がなく機能的内転位となるため患側膝関節が外反を呈すると考えられた.

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© 2009 西日本整形・災害外科学会
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