2010 年 59 巻 1 号 p. 1-7
平成12年1月~21年2月までに1307例の脊椎手術を行い,11例(0.8%)で手術部位感染症を生じた.起炎菌は,MSSA 4例,MRSA 4例,MRSE 1例,セラチア1例,ブドウ球菌種1例であった.instrumentを使用した症例は11例中5例であった.頚椎手術が5例,胸椎1例,腰椎5例であった.また,既往症は,11例中9例に認めた.内訳は,糖尿病2例,RAや,喘息によるステロイドを内服している症例が2例,急性腹膜炎や,急性膵炎にて長期絶食期間を有していたものが2例,透析症例が1例,脳性まひ1例,ダウン症例が1例であった.血液透析,手術時間の延長,術中出血量の増加,Instrument手術は統計学的に有意なSSI危険因子であった.術後のWBC,CRPに関して術後4日から2週間まで感染群が有意に高値を示した.