整形外科と災害外科
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骨接合時のK-wire断端処理
進 訓央大江 健次郎朝倉 透松浦 恒明
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2010 年 59 巻 1 号 p. 86-92

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抄録

目的;Kirschner-wire(以下K-wire)は一般的に用いる骨接合材料である.しかし,その先端による腱損傷や神経刺激症状,疼痛などの合併症も経験される.今回,我々はエンダー釘の先端に穴を開けてこれを利用してK-wire先端を曲げるデバイスを使用することにより上記合併症を回避してきたため報告する.方法;デバイスはエンダー釘の先端に径2mmの穴をもう一つ作製し,手元は三角形に折り曲げたものである.先端の穴に曲げたいK-wireを入れて,この三角形の手元を回旋することで3.0mm Steinman pinも曲げることが可能である.橈骨遠位端骨折,鎖骨骨幹部骨折,踵骨骨折,中足骨骨折等においてK-wire先端を適当な長さでカットして曲げることで周囲の腱,神経等の刺激を避け,皮膚からの突出による疼痛,穿孔を回避している.結語;エンダー釘を利用したK-wire先端を曲げるデバイスは,上記合併症の回避に有用であると思われた.

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© 2010 西日本整形・災害外科学会
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