整形外科と災害外科
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健常者と腱板断裂患者の肩関節音に違いがあるか?電子聴診器を用いての検討
佐々木 誠人清水 正嗣永芳 郁文本山 達男古江 幸博川嶌 眞之村岡 静香小柳津 卓也田村 裕昭川嶌 眞人
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2010 年 59 巻 4 号 p. 695-699

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抄録

【はじめに】我々は関節運動面を評価する方法として関節音を用いての研究を行っている.今回,健常者と腱板断裂患者の肩関節音に差があるかについて電子聴診器を用いて調べた.【対象と方法】平均年齢24.4歳の健常者の14肩と平均年齢73.4歳の肩腱板全層断裂患者の14肩にLittmann社製電子聴診器ES4000モデルのチェストピースを肩峰上に当て,他動的屈伸と他動的回旋運動に伴う関節音をそれぞれ電子的に記録し比較検討した.【結果】屈伸時及び回旋運動時とも最大周波数値及び250~500 Hzの発生数において腱板断裂群が有意に大であった.また健常者群では屈伸時と回旋時においての変化が無かったが,腱板断裂群では回旋運動時のほうが屈伸運動時よりも有意に高い周波数音の発生を認められた.【考察】電子聴診器で収録した腱板断裂肩の音は健常者とは異なると思われた.関節機能評価法として関節聴診法は有用なのかもしれない.

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© 2010 西日本整形・災害外科学会
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