整形外科と災害外科
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網膜色素変性症に合併した胸椎後縦靭帯骨化症の1例
樫原 稔
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2010 年 59 巻 4 号 p. 736-738

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抄録

網膜色素変性症に合併した胸椎後縦靭帯骨化症(胸椎OPLL)を経験したので報告する.症例は25歳女性で1カ月前に歩行障害を自覚し,急に歩行不能になり当科受診した.下肢MMTは2~3程度で排尿障害があった.胸椎CTでT1/2,4/5,5/6,6/7,7/8,9/10椎間で嘴状OPLLを認め,骨化巣の脊柱管内占拠率は最大80%であった.手術はまず脊髄後方移動を目的として,C3からT2まで棘突起縦割法を行い,2週間後にT1からT10まで胸椎後方固定とT3からT10まで椎弓切除を行った.術直後から両下肢自動運動が不能になり,術後1年2カ月の現在も下肢麻痺は改善していない.胸椎OPLLは後方法,前方法とも種々の術式があるが,いずれも成績不良例が散見される.特に本症例のように嘴状骨化の場合,術後神経症状悪化例が多く,後方法だけでなく前方除圧術も検討する必要がある.

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© 2010 西日本整形・災害外科学会
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