整形外科と災害外科
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透析性脊椎症における軸椎歯突起病変の検討
坂上 秀和馬場 秀夫田上 敦士日浦 健進藤 裕幸
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2010 年 59 巻 4 号 p. 748-753

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抄録

はじめに:透析性脊椎症には破壊性脊椎症(DSA)や脊椎アミロイド沈着,軸椎歯突起病変があるが,当科での軸椎歯突起病変の手術例について検討した.方法:対象は当科で手術を行った軸椎歯突起病変の8例(男性5例,女性3例).手術時年齢は47~59歳(平均54.1歳)で,そのうち環軸椎亜脱臼を認めたのが6例,歯突起偽腫瘍を認めたのが2例であった.環軸椎亜脱臼例には後頭頚椎固定術を,歯突起偽腫瘍例には後弓切除術のみを施行した.結果:透析歴は25~30年(平均27.9年)と全例が極めて長期の透析症例であったが,手術前後でJOA scoreは良好に改善し,周術期の合併症も認めなかった.考察:透析患者の軸椎歯突起病変では,手術時に全例25年以上と極めて長期の透析歴を有していたが,周術期合併症もなく良好な術後経過を得られている.

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© 2010 西日本整形・災害外科学会
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