整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
変形性股関節症例に対する水中運動療法の効果について
―手術施行例を含めて―
赤嶺 卓哉田口 信教高田 大牧 信哉
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 59 巻 4 号 p. 792-794

詳細
抄録

変形性股関節症(股OA;手術例4名を含む)に対する水中運動療法の効果を,検討し報告する.対象は,股OA症例13名(女性12名,男性1名,平均年齢56.5歳,平均日本整形外科学会股関節機能判定70.2点)である.水中運動教室は毎週2回,約6.0カ月間実施した.教室内容は,股OA基礎教育と約90分間の水中運動(水中歩行,基礎的水中運動,泳法指導,自由泳など)である.効果判定のため,各種の測定・検査を,水中運動実施直前・中間・直後に3回施行し比較した.水中運動実施後の身体・体力測定では,肥満の軽減,心肺機能の向上,体幹・下肢の柔軟性の増強がそれぞれ統計学的に有意に認められた(以下p<0.05).また日整会判定においても,実施後では疼痛・日常生活動作・総点に,有意な改善が認められた.水の浮力・抵抗などを利用した股OAに対する水中運動は,術前・術後に関わらず,症例の健康増進に対する動機づけを高め,有益であると考えられた.

著者関連情報
© 2010 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top