整形外科と災害外科
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肘部管症候群を呈した石灰化を伴う血管平滑筋腫の1例
田島 智徳中村 隆弘
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2010 年 59 巻 4 号 p. 813-816

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抄録

肘部管症候群を呈した血管平滑筋腫の1例を経験したので報告する.症例は61歳男性.5年前より右第4,5指のしびれが出現.1年前より右手の筋力低下を自覚.初診時には骨間筋萎縮とclaw fingerを認めた.肘部管に弾性硬の腫瘤を触れ,腫瘤は単純X線で石灰化像を呈していた.MRIでは皮下に3.0×2.0×1.5 cmの境界明瞭な腫瘍を認めた.良性腫瘍による肘部管症候群の診断で切除生検術を行った.病理組織所見では血管壁平滑筋から腫瘍性平滑筋への移行を認め血管平滑筋腫と診断した.術後は腫瘍の再発はなく神経症状も改善傾向である.血管平滑筋腫は血管壁の平滑筋細胞に由来する良性腫瘍で下肢に好発することが多い.特徴的な所見がないため術前に診断することは困難である.本症例のように石灰化を伴うことや神経症状を呈することは非常に稀である.

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© 2010 西日本整形・災害外科学会
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