整形外科と災害外科
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悪性軟部腫瘍との鑑別を要した大腿部仮性動脈瘤の一例
野崎 義宏富田 雅人池田 倫太郎林 秀行上谷 雅孝進藤 裕幸
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2010 年 59 巻 4 号 p. 830-835

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抄録

(はじめに)臨床上,悪性軟部腫瘍との鑑別を要した大腿部仮性動脈瘤の一例を経験したので報告する.(症例)49歳女性.(既往歴)先天性股関節脱臼に対して16歳時に骨切術を受けた.現病歴:平成20年6月より左下肢に違和感を,同年末頃から大腿部の硬結,腫脹を自覚していた.平成21年初めから腫脹が徐々に増大し,同年5月より膝関節の伸展障害も出現したため当科受診となった.左鼠径部内側より後面にかけて26×15×19 cmの弾性硬の腫瘤で血管雑音を聴取した.圧痛,熱感は伴っていなかった.造影CTにて動静脈奇形(AVM)とAVM周囲に仮性動脈瘤をみとめ,持続的な出血をみとめた.その後,出血源の塞栓術を2回に分けて施行した.貧血の進行が無いことを確認後,外来での経過観察とし現在も観察中である.(考察)急速に増大する腫瘤と腫瘤内に著明な血管雑音をみとめた場合,本疾患も鑑別として考慮すべきである.

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© 2010 西日本整形・災害外科学会
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