整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
巨大頚椎前方骨棘切除後に一過性反回神経麻痺を生じた1例
籾井 健太中家 一寿緒方 淳也福元 真一田縁 竜一
著者情報
キーワード: 反回神経麻痺, 骨棘切除
ジャーナル フリー

2011 年 60 巻 1 号 p. 101-104

詳細
抄録

我々は嚥下障害を伴う巨大頸椎前方骨棘に対する骨棘切除後に一過性反回神経麻痺をきたした1例を経験したので報告する.症例は84歳男性.5-6年前から嚥下障害が出現.上部消化管内視鏡検査,頭部MRIで異常なし.嚥下造影検査でC3-7前方骨棘による嚥下障害を認め,前方アプローチでC3-7骨棘切除術を施行.術直後から喀痰の増加,嚥下困難感と嗄声が出現.後咽頭腔幅の増大と嚥下協調運動異常を認め,胃管留置し,嚥下機能訓練を継続した.その後,嚥下造影検査で後咽頭腔幅の漸減を認めるものの,摂食を開始することができない状態.喉頭鏡検査を行い,左反回神経麻痺を認めた.徐々に嚥下機能は改善していき,左斜前屈位で摂食が可能であることを確認.胃管を抜去し,摂食再開,退院となった.以後,外来フォローアップし,158日目に治癒となった.

著者関連情報
© 2011 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top