2011 年 60 巻 1 号 p. 109-111
2001年から腰椎変性疾患に対しsemi-rigid screw and rod systemを用いた制動術を行ってきた.蝶番状であるscrew/rod間ではなく,椎弓根内でscrew折損が生じた.手術はHall4点固定器を用い,体位は腰椎前屈位が多い.上・下椎体にscrewは平行に挿入され,rodが直線状のため,X線側面像で「コ」ないし「ヨ」の字に挿入される傾向であった.Screw折損の原因として,各椎体にscrewが平行に挿入され,直線状rodと締結されるため,常に椎間は前屈位に保持され,術後の過剰な前・後屈で椎弓根内のscrewに過度のストレスが加わり折損が生じたと推察した.以後,上・下screwを矢状面で放射状に挿入し,前弯rodを用いて,screw間に軽度圧縮を加えて締結する工夫を行った.Screw折損率は工夫前,80例中9例(11.3%),工夫後,36例中0例(0%)であった.Screw折損防止に腰椎前弯を意図したscrew挿入・前弯rodが望まれる.