整形外科と災害外科
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鏡視下腱板修復術において,アンカーの逸脱により直視下手術に移行した症例の検討
荻本 晋作北村 歳男
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2011 年 60 巻 1 号 p. 36-40

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抄録

鏡視下腱板修復術(ARCR)の導入初期の89例90肩(男性56肩,平均61.9歳,女性34肩,平均66.6歳)において,アンカーの逸脱によりARCRから直視下手術に切り替えた5症例について調査検討した.男性の3肩(平均60歳)は3腱断裂あるいは広範断裂であった.女性の2例は中断裂が1肩,大断裂が1肩であり,ともに70歳以上の高齢者であった.男性では断裂サイズが大きい症例,女性では高齢の場合,術中にアンカーの逸脱による大結節部の破壊が起こり,ARCRを維持出来なくなる可能性があり,術中に十分な検討を行うことや,アンカーを用いない手術方法などの準備が必要である.

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© 2011 西日本整形・災害外科学会
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