整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
救急外来における高齢者頚椎外傷の検討
吉松 弘喜吉田 健治神保 幸太郎田中 憲治坂井 健介田中 順子中村 秀裕瓜生 拓也本多 弘一後藤 琢也山下 寿高宮 啓彰佐藤 公昭永田 見生
著者情報
キーワード: 高齢者, 頚椎, 頚髄損傷
ジャーナル フリー

2011 年 60 巻 1 号 p. 85-88

詳細
抄録

高齢者頚椎外傷において,頚椎・頚髄損傷例増加に伴い,特有の問題が指摘されている.今回,当院救急外来を受診した頚椎外傷5836例中,65歳以上の高齢者801例について調査した.意識障害21%,重症頭部外傷15%,四肢骨盤骨折16%,他部位の疼痛を有する症例27%であった.また,頚椎・頚髄損傷を62例(7.7%),非骨傷性頚髄損傷を24例(3.0%)に認めた.脊柱管狭窄,OPLL合併については,それぞれ頚椎・頚髄損傷例,非骨傷性頚髄損傷例共に有する割合が高かった.今回の結果より,救急外来における高齢者頚椎外傷診察の難渋性が示唆された.高齢者の頚椎外傷は高齢者外傷の特殊性と高齢者頚椎・頚髄損傷の特徴を理解して診療にあたる必要がある.

著者関連情報
© 2011 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top