2011 年 60 巻 3 号 p. 409-416
アテトーゼ型脳性麻痺の頚椎に対するorthopaedic selective spasticity-control surgery(OSSCS)の中長期成績を調査した.1990-2009年までの20年間に,頚椎に対してOSSCSを行ったアテトーゼ型脳性麻痺患者46人のうち術後2年以上経過観察し得た31人を対象とした.手術時年齢は13-56歳(平均38.5歳),術後観察期間は2-19年(平均7.2年)であった.頚髄症に対してOSSCSを行ったものは28人で,日整会頚髄症治療成績判定基準を用いて経過を判定したところ,治療成績は良8人,可8人,不可12人であった.粗大運動能力分類システム(GMFCS)レベルIIの症例に不可が多い傾向があり,またOSSCS後の経過中に骨性手術を追加した症例で成績が悪い傾向があった.GMFCSレベルIIではOSSCSと骨性手術をはじめから併用することが望ましい.