整形外科と災害外科
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関節リウマチ患者の治療中に発症したメトトレキサート,生物学的製剤関連悪性リンパ腫の2例
 
安原 隆寛多田 弘史松崎 尚志西島 毅志増田 陽平横田 忠明
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2011 年 60 巻 3 号 p. 467-472

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抄録

関節リウマチにおいて悪性リンパ腫の合併はまれに経験される.メトトレキサート(MTX),生物学的製剤治療中に発症した悪性リンパ腫の2症例を経験したので報告する.【症例1】55歳,女性.平成15年よりMTX 6 mg/ 週開始され,平成20年5月よりインフリキシマブ開始された.同年7月頃より左上腕に硬結,両手背に潰瘍形成出現したため,左上腕の生検を受け,悪性リンパ腫と診断された.インフリキシマブ中止後,腫瘍消失し,潰瘍も治癒した.【症例2】71歳,女性.平成12年よりMTX 6 mg/ 週内服中,H18右上顎の口内炎を自覚した.生検にて悪性リンパ腫と診断され,化学療法・放射線療法を受け,悪性リンパ腫は寛解した.【考察】RA患者の悪性リンパ腫発症は有意に高く,相対危険度は2倍という報告がある.そのリスクファクターとしてRAの病態そのものと,RAに対する治療薬との関連性が指摘されている.今回我々が経験した2例は,RAに対する治療薬が悪性リンパ腫の発生に関与したと推測された.

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© 2011 西日本整形・災害外科学会
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