整形外科と災害外科
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感染性心内膜炎に広範囲硬膜外膿瘍を合併した1例
山川 慶勢理客 久屋良 哲也金谷 文則
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2011 年 60 巻 4 号 p. 685-688

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抄録

感染性心内膜炎に広範囲硬膜外膿瘍を合併した1例を経験したのでこれを報告する.55歳男性.38度台の発熱,背部痛を主訴に内科を受診し入院となった.経食道エコー検査で僧帽弁にvegitationを認め,感染性心内膜炎の診断の下,抗生剤を投与された.入院5日目より腰痛,両大腿痛が生じたため,当科に紹介された.感覚障害,下肢筋力低下は認めなかったが,下肢への放散痛のため,体動は困難であった.MRIではTh4からS1におよぶ硬膜外膿瘍を認めた.その後症状の改善がみられなかったため,手術を行った.手術はTh6/7からL3/4まで一椎間おきに椎間開窓しデブリドマンを施行した.硬膜は炎症性肉芽に圧排され,同皮膜内に淡赤色の膿を認めた.術後,症状は改善し,独歩可能となり退院となった.

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© 2011 西日本整形・災害外科学会
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