整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
自然消退した大腿骨発生骨軟骨腫の1例
小山 雄二郎薬師寺 俊剛佐藤 広生岡 潔水田 博志
著者情報
キーワード: 骨軟骨腫, 自然消退, 軟骨帽
ジャーナル フリー

2011 年 60 巻 4 号 p. 705-707

詳細
抄録

自然消退した大腿骨発生骨軟骨腫の1例を経験したので報告する.【症例】12歳,男性【主訴】右大腿骨異常陰影【現病歴】平成19年右膝を打撲し,疼痛が持続するため近医を受診し,右大腿骨骨腫瘍が疑われ当科外来を受診した.【現症】右大腿骨遠位背側に3×2 cm,骨性硬,可動性のない腫瘤を触知した.単純X線像で右大腿骨骨幹端背側に骨性隆起を認め,MRIでは同部位表層に軟骨帽を認めた.以上より骨軟骨腫と診断した.【経過】日常生活に支障はないため経過観察とした.初診時から2年後の単純X線像では骨外性の隆起は縮小し,3年後にはほぼ消失に至った.【考察】我々が渉猟しえた限り,自然消退した骨軟骨腫の報告は19例のみであり,大腿骨遠位部は6例で,診断時平均年齢は11歳(3-15歳),自然消退までの期間は平均3.7年と,本自験例とほぼ同等であった.

著者関連情報
© 2011 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top