2011 年 60 巻 4 号 p. 739-743
目的は,静的および動的姿勢制御において,非利き足(支持足)が支持機能を果たしているのか検討することである.大学ハンドボール部29名を対象にした.支持足は,右が4名,左が25名であった.静的姿勢制御として,バランスパッド上に,開眼または閉眼にて片足で立たせた.開眼は5秒間,閉眼は3秒間静止させた.動的姿勢制御として,40cmの椅子から3種類の不安定な床面に片足で落下着地し,身体の平衡を3秒間保持させた.3種類の不安定な床面は,バランスパッド,左右に揺れる大型不安定板,前後に揺れる大型不安定板であった.各測定とも利き足と支持足にて行い,5回成功するまで実施した.失敗数も記録した.膝に装着した3軸加速度計で膝の揺れを評価した.加速度の順方向最大値と逆方向最大値の和を最大振幅(MAA)とした.結果は,バランスパッドへの着地では,支持足が利き足よりもMAAが小さかった.静的状態および大型不安定板への着地では,MAAに両足間で有意差はみられなかった.失敗数は静的および動的課題とも両足間で有意差はなかった.スポーツ選手の訓練やリハビリテーションプログラムにおいては,支持足の支持足機能を考慮すべきである.