整形外科と災害外科
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腰椎後側方固定術後の隣接椎間に脊柱管狭窄と椎間関節嚢腫を生じた1例
樫原 稔時岡 孝光
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2012 年 61 巻 1 号 p. 112-116

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抄録

症例は74歳女性でL4すべり症とL3/4,L4/5の脊柱管狭窄に対して,L3,L4,L5に椎弓根スクリューを刺入し,両側L3,L4,L5椎弓切除術と後側方固定術(PLF)を行った.術後4ヵ月から両下肢痛が出現し,術後1年1ヵ月のMRIと椎間関節造影でL2/3椎間の脊柱管狭窄と左L2/3椎間関節からの椎間関節嚢腫を認めた.これに対して,L2椎弓切除術と嚢腫摘出術を行い,両下肢痛は軽減した.MRIの普及により腰椎椎間関節嚢腫の報告例が増加しているが,何らかの腰椎手術後に生じた腰椎椎間関節嚢腫はまれである.治療はまず保存的療法が行われ,無効例に対して手術が行われることが多い.本症例における成因は,固定上位椎間へのストレス集中,発生した椎間関節への何らかの刺激の可能性,およびPLF後に進行した椎間関節の変形性関節症変化などが考えられた.

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© 2012 西日本整形・災害外科学会
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