整形外科と災害外科
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Kienböck病に対して橈骨超遠位楔状骨切り術を行った2例
大久保 宏貴普天間 朝上小浜 博太堀切 健士金城 政樹金谷 文則
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2012 年 61 巻 1 号 p. 45-49

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抄録

Kienböck病に対する橈骨骨切り術は遠位橈尺関節(DRUJ)近位で骨切りするため,術後その適合性が変化する.私たちはDRUJ適合性が変化しない骨切り術(橈骨超遠位楔状骨切り術)を施行した尺骨ゼロ変異の2例を報告する.術式は尺骨切痕から2mm橈側,橈骨月状関節面から2mm近位を頂点とする15°の楔閉じ骨切り術(lateral closing wedge osteotomy)である.症例は68歳と27歳の男性で,ともにLichtman分類stage III-Bであった.最終観察時(術後29ヵ月,18ヵ月),疼痛はともに消失,握力はそれぞれ34kg,36.5kg(術前4kg,26.5kg),手関節全可動域はそれぞれ130°,110°(術前95°,90°)と改善し,Nakamuraの評価はともにgoodであった.術後単純X線像上,DRUJの関節症性変化は認めなかった.

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© 2012 西日本整形・災害外科学会
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