抄録
Cervical anginaはPhillipsによって1927年に初めて提唱された病態で,何らかの頸椎近傍の病変に由来する狭心症発作性前胸部痛と定義され,さまざまな報告がなされている.この胸痛は生命への危険性を有する虚血性心疾患と同様な疼痛を呈することから,心疾患による胸痛との鑑別が重要である.頚椎・頚髄疾患による胸痛の発生機序に関しては後根への刺激,前根への刺激,椎間板や椎間関節からの関連痛,交感神経系の関与などが提唱されているが,明確な原因は不明である.今回我々は,心疾患に由来する胸痛が否定され,CTMやMRIでC7神経孔部での神経根の圧迫を認め,神経根ブロックをおこない,症状の軽快を認めたことから,C7神経根由来のCervical anginaと診断し,椎弓形成術+椎間孔拡大術を施行し,症状の改善がみられた1例を経験した.