整形外科と災害外科
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骨軟部腫瘍に於ける細胞診と組織診の一致率の検討
富田 雅人宮田 倫明野崎 義宏熊谷 謙治林 徳眞吉安倍 邦子木下 直江進藤 裕幸
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2012 年 61 巻 2 号 p. 173-175

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抄録

【はじめに】骨軟部腫瘍に於ける細胞診と組織診の結果の一致率について検討を行った.【対象】平成21年1月から平成22年12月の間に当科にて病理組織診断を行った,骨・軟部腫瘍は220症例(男性124例,女性96例,平均年齢54.2歳)であった.これらのうち細胞診を行った194例,199検体を対象とした.【結果】組織診と細胞診の診断が一致した症例は160例,不一致例は39例であった.不一致例の内訳は,脂肪肉腫が24例と最も多く,軟骨肉腫,平滑筋肉腫,石灰化上皮腫,いわゆるMFHが2例ずつ,滑膜肉腫,悪性リンパ腫,Ewing肉腫,骨肉腫,脂肪腫,血管芽細胞腫がそれぞれ1例ずつであった.【考察】骨・軟部腫瘍の診断に於いて,組織診と細胞診の一致率は,80.4%と良好であった.特に脂肪性腫瘍では一致率が22.6%(31例中7例)と低く,細胞診での脂肪肉腫の診断は困難であると考えられた.

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© 2012 西日本整形・災害外科学会
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