整形外科と災害外科
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大腿骨転移性骨腫瘍に対して使用した再建材料の折損をきたした一例
安田 廣生横山 庫一郎清水 敦森 達哉
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2012 年 61 巻 2 号 p. 179-185

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抄録

【はじめに】大腿骨骨幹部転移性骨腫瘍に対して行った再建手術材料の折損をきたした一例を報告する.【症例】52歳,男性,右大腿骨骨幹部転移性腎癌.初回骨腫瘍切除術とHuckstep nailを用いた大腿骨骨幹部再建を行った.術後約5カ月で骨セメント充填部近位端でNailの折損を認めたため,人工骨幹(JMM,K-MAX)を用いて再建を行った.術後早期歩行可能となり,術後2週間で退院した.【考察】長管骨の悪性腫瘍切除後の再建にHuckstep nailは早期荷重の点から有用であるが,過負荷が一つの要因と考えられた折損例を経験したので報告した.患者は年齢が若く,職業も建築業と重労働であり,Screw holeから折損したと考えられた.人工骨幹は,カスタムメイドのため作製に3週間を要し,その間に進行の早い腫瘍では病的骨折や腫瘍の拡大の危惧があるが強固かつ使用が簡便であり有用であると思われた.

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© 2012 西日本整形・災害外科学会
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