2012 年 61 巻 2 号 p. 201-203
関節リウマチ(以下RA)において生物学的製剤投与中の人工関節置換術の安全性は確立していない.当院で2007年1月~2010年12月までの3年間にRAに対して人工膝関節置換術(以下TKA)を行った38例50膝の中,生物学的製剤使用中の10例13膝を対象とした.平均年齢60.5歳(41~77歳),男性2例,女性8例,平均RA罹患期間は11.4年(6~33年)であった.生物学的製剤はInfliximab使用例が4膝,Etanercept使用例が6膝,Adalimumab使用例が2膝,Golimumab使用例が1膝であった.休薬期間は日本リウマチ学会ガイドラインに準じた.生物学的製剤使用症例における周術期合併症,術後成績について若干の文献的考察を含め検討した.