整形外科と災害外科
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椎体の骨吸収により著明な後弯変形を生じた腰椎骨折の治療経験
戸次 大史河野 修芝 啓一郎薛 宇孝小田 義直
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キーワード: 骨吸収, 後弯, 前方固定術
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2012 年 61 巻 2 号 p. 213-217

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抄録

炎症性病変や腫瘍性病変などの基礎疾患がなく,椎体が消失する程の骨吸収を呈する例は極めて稀である.今回我々は,特記すべき基礎疾患も無く,腰椎骨折後に椎体が吸収され消失し著明な後弯変形を呈した例を経験したため報告する.【症例】症例は72歳男性.明らかな誘因は無く腰痛を自覚し,第2腰椎圧迫骨折と診断され,精査にて原因は不明であった.次第に骨吸収による後弯変形が進行したため後方固定術を行ったが,矯正損失を認めたため1年後に前方後方固法にて再建を行った.その後は良好なアライメントを維持している.【考察】椎体圧潰に長時間の繰り返し外力が加わった結果,修復機転が働かず骨吸収が進行し椎体消失に至った.骨吸収と後弯が進行した例では,アライメント維持のため前方椎体再建が必須であると考える.

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© 2012 西日本整形・災害外科学会
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