整形外科と災害外科
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当院での腰椎後方固定術後の深部静脈血栓症について
屋良 卓郎中村 哲郎川口 謙一土屋 邦喜
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2012 年 61 巻 2 号 p. 223-224

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抄録

目的:腰椎後方固定術後の深部静脈血栓症(DVT)について検討した.対象および方法:2009年4月から2010年12月における腰椎後方固定術施行患者のうち術後1週に下肢静脈エコーを施行した64名(男性31人,女性33人,平均年齢68.4歳)を対象とした.全症例に対し当院の院内プロトコールに従い,DVTの予防処置が施行されていた.結果:3例(4.7%)にDVTを認めた.内訳は混合型1例(近位側は陳旧性),遠位型2例で症候性肺塞栓の発生は無かった.BMIはDVT+群19.3kg/m2に対しDVT-群23.3kg/m2,手術時間DVT+群256分に対しDVT-群245分,術中出血量DVT+群306mlに対しDVT-群331mlでいずれも有意な差を認めなかった.DVT発生例のうち1例は術前より軽度の筋力低下を認めた症例であった.発生率自体は諸家の報告と大差はなかったが,特段のリスクファクターを有しない症例にも発生しており注意が必要と考えられた.

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© 2012 西日本整形・災害外科学会
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