整形外科と災害外科
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ビスホスホネート内服患者に認められた両側非定型的大腿骨骨幹部骨折の一例(三骨折)
釘本 康孝高山 剛上通 由紀子
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2012 年 61 巻 2 号 p. 280-282

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抄録

目的)ビスホスホネートは骨粗鬆症治療に広く用いられている.しかし,長期使用による骨代謝回転の過剰抑制によると考えられる非定型的骨折が報告され,注意喚起されている.今回,我々は長期ビスホスホネート内服患者に認められた両側非定型的大腿骨骨幹部骨折を経験したので報告する.症例)骨粗鬆症に対しアレンドロネート投与中の73歳女性.投与開始3年後に誘因なく左大腿骨部痛あり,総合診療部より紹介.疲労骨折の診断で保存治療を行った.その9ケ月後に段差に躓き,右大腿骨骨幹部横骨折が出現し手術治療,さらに1年後に左大腿骨骨幹部横骨折が出現し,手術治療を行った.考察)いずれの骨折も誘因なく,もしくは軽度の外力で起こり,骨幹部が横骨折していた.ビスホスホネートの長期投与では,骨代謝回転の過剰抑制による非定型的なストレス骨折の発生を念頭に置き,大腿部痛などの臨床症状に注意を払わなければならない.

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© 2012 西日本整形・災害外科学会
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