2012 年 61 巻 2 号 p. 283-286
【目的】片側仮骨延長法を用いたopen wedge osteotomyにおける脛骨後傾及び膝蓋骨後位の変化について検討したので報告する.【対象】2006年1月~2008年12月において本法施行し,術前後の膝関節機能を評価し得た63例65膝を対象とした.原疾患は変形性膝関節症55膝,骨壊死10膝で,手術時年齢は平均59.9歳であった.立位膝外側角の平均は術前181.5°,術後168.0°であった.これらの症例において,脛骨後傾角(TPA),膝蓋骨高位(T/P比)の術前後の変化について検討した.【結果及び考察】TPAの平均は術前8.8°,術後9.1°であり,T/P比の平均は術前1.05,術後1.07と変化したが有意差は認めなかった.片側仮骨延長法では脛骨粗面直下での骨切りを行うことで,プレートを用いたopen wedge osteotomyと比較して膝関節機能へ影響を与えにくい方法であると考えられた.