2012 年 61 巻 3 号 p. 373-376
【目的】大腿骨遠位前面を大腿骨コンポーネントの回旋指標として導入し,術前計画と,TKA術後の大腿骨コンポーネントの設置位置の誤差を評価・検討したので報告する.【方法】JIGENTM systemを用いて術前計画を行い,施行したTKA(WRIGHT社ADVANCE)15症例,19膝を対象とした.術中は,術前計画に従い,専用ジグを使用して骨切りを行った.術後は,ソフトウェア内のインプラントデータと重ね合わせ,大腿骨コンポーネントの設置位置を評価した.【結果】術前計画と大腿骨コンポーネントの設置角度の平均誤差は,内外反角1.1°±1.1°,最大差は4°外反.屈曲伸展角1.1°±0.8°,最大差は3°屈曲.回旋角1.5±0.9°,最大3°内旋であり術前計画との誤差は各パラメータとも平均は3°以内であり良好な結果であった.【結論】JIGEN systemを用いて大腿骨遠位前面を指標に行ったTKAは,術前計画を正確に反映しており,術中の大腿骨コンポーネント回旋設置位置の決定方法として有用であると考えられる.