整形外科と災害外科
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V字骨切りデバイスを用いた尺骨短縮術の検討
角田 憲治樋口 健吾田中 博史石井 英樹重松 正森浅見 昭彦
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2012 年 61 巻 3 号 p. 392-396

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抄録

尺骨短縮術は尺骨突き上げ症候群や三角線維軟骨複合体損傷などの尺側手関節痛を生じる疾患に対して行われ,良好な成績が報告されている.しかし,尺骨の骨切り部の横径は細く,海綿骨に乏しいことなどから,時として骨切り部の遷延骨癒合や偽関節を経験することがある.われわれはV字に骨切りを行うことで骨切り部位の接触面積を大きくし,回旋運動に対し安定させることができるため,遷延癒合や偽関節の出現を少なくさせうるのではないかと考えた.フリーハンドでV字に骨切りを行い,形状を合わせて固定することは非常に難しいため,V字骨切りデバイスを考案し,臨床応用した.8例8手を対象とし尺骨短縮術を行った.骨癒合までの期間は平均で12.4±5.4週であった.日手会評価基準ではexcellent 6手,good 2手であった.デバイスを使用することで,正確な尺骨V字骨切りが可能であった.

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© 2012 西日本整形・災害外科学会
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