整形外科と災害外科
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背屈転位型橈骨遠位端骨折変形治癒に対する低侵襲矯正骨切り術
安部 幸雄吉田 紘二中島 大介富永 康弘
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2012 年 61 巻 3 号 p. 410-413

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抄録

【目的】掌背側の小皮切から掌側ロッキングプレート(VLP)固定と人工骨移植による背屈転位型橈骨遠位端骨折変形治癒の治療成績について報告する.【対象】症例は6例で全例女性,年齢は47歳~88歳,平均66歳であった.術式は背側2cmの皮切でopen wedge で骨切り,矯正して鋼線にて仮固定し,掌側3~4cmの皮切にてVLPを挿入し固定したのち骨切り部にβ-TCPを移植した.術後3日目より可動域訓練を開始した.経過観察期間は6~36か月,平均18か月,術後成績はMayo modified wrist scoreにて行った.【結果】全例,疼痛は消失しE:2例,G:4例と良好な成績が得られた.【考察】橈骨遠位端骨折変形治癒の治療は従来,矯正損失を防止するため腸骨移植と術後の外固定を要したが,今回,低侵襲でのVLP固定,人工骨移植と早期機能訓練で良好な成績が獲得できた.

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© 2012 西日本整形・災害外科学会
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