整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
東日本大震災における日本赤十字社広島県支部救護班第4班の活動報告
野村 裕有馬 準一中野 壮一郎田中 孝幸柳澤 義和城戸 聡堀田 謙介幸山 敦子大賀 正義
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 61 巻 3 号 p. 456-458

詳細
抄録

日本赤十字社広島県救護班班長として,東日本大震災の被災地で活動したので報告する.平成23年3月20日から24日までの5日間,宮城県石巻市に派遣され,石巻専修大学に設置された災害救援用移動式仮設診療所を拠点とした医療奉仕に従事した.石巻赤十字病院に設置された本部の指揮下に活動した.活動内容は,仮設診療所での医療活動,避難所への巡回診療および被災地での周辺聞き込み調査であった.仮設診療所にレントゲンや採血の測定器はなく,理学所見に基づいて診療を行った.患者内訳は3月17日から19日と比較して,我々の活動時期では呼吸器系疾患が増加していた.避難所では認知症の患者の介護負担が最も重かった.医療救護活動タイムスケールによると,我々が派遣された時期はphase2に相当する.被災地での問題点は刻々と変化するため,原地で収集した情報に基づき,次に生じる問題を予測することが重要であった.

著者関連情報
© 2012 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top