整形外科と災害外科
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緩みのない大腿骨セメントレスステムの抜去を行った症例についての検討
徳重 厚典今釜 崇目 昭仁関 寿大田口 敏彦
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2012 年 61 巻 4 号 p. 688-691

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抄録

【目的】ゆるみのない大腿骨ステムの抜去方法と問題点について検討した.【対象】2008年4月―2011年8月まで,当院及び関連施設で大腿骨ステム抜去を要した6例6関節を対象とした.【検討項目】抜去原因,ステム固定様式,抜去方法,合併症,再置換可能症例について調査した.【結果】抜去原因はステム破損2例,感染4例,ステム固定様式は近位固定型4股,遠位固定型2股(Zweymuller型)であった.抜去方法はETO 2股,ETO非施行4股であった.ETO非施行の1股で転子部骨折を来たした.ステム破損の2例と感染の1股で再置換可能,感染の1股は再置換待機中,2股は再置換不可であった.再置換はETOの2例は遠位横止めステム,1例はS-ROMステムであった.【考察】近位固定型で,カラーのあるステムはbone ongrowth部の処置が困難なため,ETOを併用すべきである.Zweymuller型stemでは全周性にノミの挿入が可能でありETOを併用しなくても抜去できる可能性がある.

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© 2012 西日本整形・災害外科学会
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