整形外科と災害外科
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高齢者上腕骨遠位端骨折の治療経験
石橋 正二郎久我 尚之萩原 博嗣
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2012 年 61 巻 4 号 p. 715-718

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抄録

高齢者の上腕骨遠位端骨折は難治性であるが,近年,専用implantの開発により治療成績は向上してきた.治療上の問題点を調べるために,当科での治療成績を後ろ向きに調べた.症例は21例,平均年齢80.4才.関節外骨折が13例,関節内単純骨折が3例,関節内粉砕骨折が5例だった.ONI plateを10例,LCPを9例に使用し,関節内粉砕骨折の1例が偽関節となった.術後humeral angle,関節面gap,肘関節可動域の平均はそれぞれ95°,1.6mm,伸展-27°屈曲115°だった.皮膚壊死,神経麻痺,異所性骨化などの術後合併症を9例に認め,関節内骨折に高率に発生した.関節外骨折,関節内単純骨折に対しては,ONI plate+CCSあるいは両側LCP固定は同等に良好な成績が得られるが,関節内粉砕骨折に対しては骨癒合は比較的良好だが,合併症が多くみられた.

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© 2012 西日本整形・災害外科学会
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