整形外科と災害外科
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上腕骨近位端骨折に対するMIPO法の経験
崎村 幸一郎中原 信一中添 悠介衛藤 正雄
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2012 年 61 巻 4 号 p. 724-727

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抄録

上腕近位端骨折に対してMIPOを行った症例の治療成績について検討した.対象は13例(男性3例,女性10例)で受傷時平均年齢は71.5歳.骨折型はAO分類A2:1例,A3:2例,B1:5例,B2:5例であった.手術は全身麻酔下にdeltoid-splitting approachで展開し,スキップさせた皮切からロッキングプレートを筋層下に滑り込ませて設置し,間接的にアライメントを整復したうえで固定した.術後の整復位は維持され,全例で良好な骨癒合が得られた.最終観察時の肩関節自動屈曲は平均135°,JOA scoreは平均85点とおおむね良好な機能回復が得られた.MIPO法はdelto-pectoral approachによるORIFに比べ骨・軟部組織への侵襲を軽減することができるが,良好な整復位の獲得と腋窩神経損傷に注意する必要がある.

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© 2012 西日本整形・災害外科学会
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