整形外科と災害外科
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同側鎖骨に近位端および遠位端骨折を認めた1例
屋良 貴宏安部 幸雄山岡 康浩吉田 紘二中島 大介津江 和成
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2012 年 61 巻 4 号 p. 728-731

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抄録

鎖骨骨折は日常多く遭遇する骨折である.骨折部位は骨幹部が最も多く,次いで遠位端,近位端骨折と報告されている.その中でも鎖骨近位端および遠位端の両端骨折は非常に稀であるが,今回我々はこの両端骨折の1例を経験したので報告する.症例は44歳男性,歩行中に転倒し左肩打撲,その後左肩痛,胸鎖関節部痛を認め当院紹介受診となった.Xp,CT画像にて左鎖骨の遠位端と近位端に骨折を認め,特に近位部は末梢骨片が前方に大きく転位していた.この症例に対し,近位端遠位端ともにSCORPION plate(アイメディック社)を用いて骨接合術をおこなった.特に近位端骨折部に対しては,鎖骨にplateをあて末梢骨片をscrewとhookで保持するようにし,良好な固定性を得ることができた.本症例のような鎖骨両端骨折に対しSCORPION plateによる観血的治療は有用な治療法の1つであると考えた.

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© 2012 西日本整形・災害外科学会
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