整形外科と災害外科
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肩腱板修復術後肩峰下面侵食像のMRIでの評価
中原 信一衛藤 正雄中添 悠介﨑村 幸一郎
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2012 年 61 巻 4 号 p. 737-742

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抄録

近年,鏡視下腱板修復術手術(以下ARCR)の普及にともない,術後肩峰下面に侵食像を生じる症例があることが明らかとなった.CTでの形態評価が一般的であるが,今回,我々は肩峰下面侵食像をMRIにて評価したので報告する.MRIでの評価はT2矢状断を用いて行った.Grade 0は侵食像なし,Grade 1は侵食部の深さが肩峰の厚さの2分の1未満のもの,Grade 2は侵食部の深さが肩峰の厚さの2分の1以上を示すものとした.対象は術後6カ月以降にMRI撮影を行ったARCR群95肩と直視下腱板修復手術群(以下ORCR群)の21肩で,術中断裂サイズ,術後腱板修復状態(菅谷分類)と侵食像との関係を調査した.ARCR群ではGrade 0が62肩,Grade 1が21肩,Grade 2が12肩で,ORCR群は全例Grade 0であった.不全断裂症例の55%に,術後腱板修状態が良好な症例の36%に肩峰下面侵食像を認めた.MRIは腱板修復状態と共に肩峰下面侵食像の評価も行うことができ,有効な方法と考えられた.

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© 2012 西日本整形・災害外科学会
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