2012 年 61 巻 4 号 p. 799-802
【はじめに】近年ビスフォスフォネートに関連した非定型大腿骨骨幹部骨折の症例報告が相次いでいる.しかし以前より同様の骨折は認めており,ビスフォスフォネートがどれだけこの骨折に影響を及ぼしているか不明である.今回大腿骨骨幹部骨折症例において骨折型・受傷前のビスフォスフォネートの使用について検討した.【方法】2006年1月から2011年5月までの小児を除く大腿骨骨幹部骨折20症例に対して,横・短斜骨折群とらせん・斜骨折群の2群に分け,年齢・受傷機転・受傷前のビスフォスフォネートの使用について後ろ向きに調査し比較した.【結果】骨折型は横・短斜骨折9例,らせん・斜骨折11例であった.ビスフォスフォネートの使用に関して,横・短斜骨折群では4例使用し,らせん・斜骨折群では認めず,2群間で有意差を認めた.【結論】大腿骨骨幹部における横・短斜骨折はビスフォスフォネートと関連があることが示唆された.しかし他の要因の関与も考えられる.