医療の効率化と質の向上を目指してクリニカルパスが日常的に使用されてきている.医学の進歩とともに最善の方法は変化していくため,パスは常に見直しが必要となる.その一つの方法としてパスのベンチマーキングを実施した.【方法】インターネットの病院ホームページ上に公開されている人工骨頭パスを入手し,近隣医療機関からもパスの提供を依頼して入手し,予防的抗菌薬,術後リハビリ,脱臼予防策等について当院パスと比較し,妥当性を検討した.【結果】ネットから14,直接依頼で3つの合計17のパスが入手可能だった.予防的抗菌薬や術後リハビリについては病院間で大きく異なっており,ガイドライン等を参考にして当院の方法を概ね妥当と判断した.脱臼予防策も病院間で大きく異なり,これには文献やガイドラインでの言及がほとんどなく,独自に改善をはかった.【結論】他の医療機関のパスは自院のパスの見直しのための有用な情報源となりうる.