2013 年 62 巻 3 号 p. 546-549
【目的】大腿骨転子部骨折に対するshort femoral nailの術後成績不良因子となり得るガイドピンのしなりについて検討した.【方法】平成23年12月~平成24年10月までにshort femoral nailで治療した大腿骨転子部骨折のうち,ガイドピンのしなりについて検討することができた32例を対象とした.術中イメージでlag screw,またはブレードのガイドピン挿入時の動画(正面像,軸写像)を撮影し,しなりの出現率,術後整復位に与える影響を検討した.【結果】ガイドピンのしなりが生じたのは27例であった.術中,術後の整復位はしなり(+)群で変化する症例が多かった.【考察】ガイドピンのしなりをそのままにしてドリリングを施行すれば,近位骨片の転位は避けられない.しなりの出現率は意外に高いが,動画でなければ気付かないことが多く,そのまま見過ごされている可能性があるので注意を要する.