整形外科と災害外科
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橈骨遠位端骨折における掌側ロッキングプレート法の功罪
―長母指屈筋腱皮下断裂4例の検討―
森重 昌志住浦 誠治山本 学長弘 行雄礒部 淳一平田 健司
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2013 年 62 巻 4 号 p. 779-783

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抄録

【目的】橈骨遠位端骨折に対する掌側ロッキングプレート固定後の合併症として長母指屈筋腱(以下FPL)断裂の報告が散見される.当科で経験したFPL断裂例の検討を行った.【対象】症例は4例(男1,女3例).年齢は31~77歳(平均62歳).手術から腱断裂発生までの期間は5~22カ月(平均16.5カ月).使用プレートの内訳はAcu-Loc distal radius plate(以下Acu-Loc)3,LC-DRP(SYNTHES)1(プレート設置は他院で施行)であった.運動時の手関節掌側の違和感,疼痛を2例が訴えていた.【結果と考察】断裂部はプレートの遠位辺縁部でAcu-Locに関しては遠位辺縁部からプレートが厚くなる部分にかけての断裂であった.FPL断裂の原因にはプレートの設置位置や浮きなど様々な原因が報告されている.プレートの選択や設置位置,断裂の予防のための抜釘など多くのことを考慮して使用する必要がある.

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© 2013 西日本整形・災害外科学会
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