整形外科と災害外科
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当院における寛骨臼周囲転移性骨腫瘍の治療成績
徳重 厚典村松 慶一今釜 崇橋本 貴弘富永 康弘瀬戸 信一郎田口 敏彦伊原 公一郎
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2014 年 63 巻 1 号 p. 152-155

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抄録

当科にて寛骨臼周囲の転移性骨腫瘍に対し手術的加療を行った症例について調査検討した.対象は2000年から2013年まで治療を行った9例である.男性8例,女性1例,手術時平均年齢64歳(47-84歳),経過観察期間は平均41.3か月(3-144か月)である.原疾患,手術術式,術前後歩行能力,転帰について検討した.原疾患は甲状腺癌2例,前立腺癌3例,腎癌4例であった.手術術式は病巣掻爬+骨セメント充填3例,病巣切除+血管柄付き骨移植1例,病巣掻把+血管柄付腸骨移植+人工骨頭置換術1例,人工骨頭置換術1例,人工股関節置換術3例であった.術前歩行状況は歩行可能7例,車いす2例,術後は全例で歩行可能となっていた.術後早期の2例を除き,転帰はDOD5例,AWD2例であった.加療方法の発展に伴い,原疾患によっては転移を認めても長期予後が期待できる場合もあり,QOL維持のため手術的加療は有効な手段であると考える.

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© 2014 西日本整形・災害外科学会
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