整形外科と災害外科
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膝蓋骨高度粉砕骨折に対するdouble tension band wiring
久我 尚之萩原 博嗣
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2014 年 63 巻 1 号 p. 174-176

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抄録

大きく転位したOTA分類34-C3の膝蓋骨骨折に対するdouble tension band wiring(dTBW)の術後成績を報告する.【対象】C3骨折の7例,平均年齢60才(46-77才),経過観察期間は平均12ヶ月,骨片数は平均5.3個(4-7個),骨片離開は平均27mm(15-45mm),1例は開放骨折だった.手術は横方向にK-wire2本刺入し8字締結で上下骨片を引き寄せた後,縦方向のTBWで更に強固に圧迫固定した.術後は早期から膝可動域訓練,荷重歩行を行った.【結果】術後1ヶ月以上経過した6例は全て一期的に骨癒合した.骨癒合期間は平均3.5ヶ月,術後感染,変形癒合などの合併症はなく,全例受傷前の歩行に復帰した.2例に鋼線刺激痛を認めたが抜釘後消失した.最終時の膝関節可動域は平均143°だった.【考察】我々は過去にC1,C2骨折に対する経皮的二重ワイヤリングの優れた成績を報告した.今回行ったdTBWは上下左右両方向からの圧迫固定により強固な固定を示し,C3骨折に対しても成績は良好で更に開放骨折にも有用だった.

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© 2014 西日本整形・災害外科学会
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