整形外科と災害外科
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肩関節後方脱臼に対して鏡視下後方関節唇修復術と直視下小結節移行術を施行した1症例
櫻井 真柴田 陽三城島 宏秋吉 祐一郎小林 達樹日高 正嗣河野 大蛭崎 康人柴田 光史浅山 勲平井 伸幸伊﨑 輝昌三宅 智
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2014 年 63 巻 1 号 p. 68-71

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抄録

肩関節後方脱臼に対し鏡視下後方関節唇修復術と,直視下小結節移行術を施行した症例を経験したので報告する.症例は52歳,男性.主訴は左肩痛,脱臼不安感.就寝中に誘因なく左肩に激痛が出現.某医で左肩関節後方脱臼の診断で徒手整復され,当院紹介.単純X線検査で脱臼は整復されているが,小結節骨片の転位を認めた.CTにて骨頭前面の約35%に骨欠損(reverse Hill-Sachs病変,以下RHS)及び単純MRIで後方関節唇損傷(reverse Bankart病変)を認めた.整復後も易後方脱臼性ならびに後方脱臼不安感を認め手術を施行.鏡視下に後方関節唇を2個のスーチャーアンカーで縫合.次に直視下手術で,小結節をRHSに移行してC.C.S.2本にて固定.術後は3週間の外旋装具固定を行い,CTで小結節の骨癒合を確認した術後3ヵ月で職場復帰した.術後9ヵ月現在,疼痛・脱臼不安感はなく,挙上140度,外旋45度,内旋L2,JOA score 87点,JSS shoulder instability score 91点である.RHSに対する小結節移行術は,そのengageの予防に有用である.

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© 2014 西日本整形・災害外科学会
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