整形外科と災害外科
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水頭症を合併した脊髄円錐部腫瘍の1例
馬場 覚今澤 良精福島 俊麻生 龍磨貝原 信孝佐々木 伸一河村 誠一米増 博俊
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2014 年 63 巻 2 号 p. 227-230

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抄録

【はじめに】脊髄円錐部腫瘍に水頭症を合併した一例を経験したので報告する.【症例】62歳女性,2年程前から腰痛・右下肢のしびれを自覚.症状が次第に増強するため近医を受診したところMRIにて硬膜内腫瘍を指摘され,当科紹介となった.当院での術前MRIにより神経鞘腫,粘液乳頭状上衣腫,髄膜腫などが鑑別にあげられた.上衣腫,髄膜腫は頭部にも遠隔播種することがあるため頭部MRIを施行した結果,水頭症を認めた.理学所見で頑固な頭痛,両視神経乳頭浮腫,複視等の眼症状も認めた.【術後経過】脊髄腫瘍摘出術により,術前に認めていた水頭症と随伴症状の改善を認めた.病理診断は神経鞘腫であった.退院後も腫瘍の再発等なく良好な経過を辿っている.【考察】非常に低頻度ながら,脊髄腫瘍に水頭症を伴うという報告がある.脊髄腫瘍の症例では,水頭症の随伴症状の有無を評価し,術前に頭部 CT・MRI等の検査を追加する必要があると考えられる.

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© 2014 西日本整形・災害外科学会
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